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《リベンジ★ラブ》
第1章 目の前に立つのは…
✿ ✿ ✿

2日後の午前中、綾香は1人きり部にいて頼まれた資料のコピー。
違うのはみんな重要な取引打ち合わせだと10時に出ている。

昼前の11時、ドアが勢いよく開けられるまでは仕事をしたいと思う綾香にとってはコピー等退屈ではあるが新人である彼女には仕方ないと思わざるをえない程平穏な日常。

森部と書かれた手書きの社員証をぶら下げたある女性社員が息をきらし走ったのかハアハアと粗い息、肩を上下させているのを見て綾香はご苦労さまと思った。

『何涼しい顔で呑気に仕事っ、まったく。だから森部さんは仕事が出来ないって言うのよ』

『頼まれたコピーをしていただけなんですが、Á先輩』
嫌だなと思いつつ顔に出ないように少しうつむいてから顔をあげコピーをしていたというふうに紙をトントンとデスクに置いて整えた。

『コピー?あなたの後輩の吉川も私達に混じって仕事しているのに森部さんときたら呑気にコピー?』
Á先輩は首にかけていた社員証から手書きの森部という紙を外して丸めてゴミ箱に放ったが外れて床に落ちた。

綾香はその紙を拾い森部という文字を不思議そうに見てゴミ箱に入れてからÁ先輩を再び見るが、イライラと説教じみた事を言われるのかと部屋を出たい心境で少し手が震えヒールのつま先を揃える小心者。

帰りたい、この人何故か怒ってるから。
でもなんであたしの名前を手書きで社員証なんかに?
身代わり?何故?

頭のいい綾香は社員証から抜き捨てた紙切れで身代わりだと考えたがÁ先輩に言うのも会話を避けたいと黙っていた。

『森部は呑気でいいわね、大事な商談でみんなアタフタしているっていうのに森部で行った私は森部という名前でとんだ恥をかいたっていうのに!』
Á先輩は髪をくしゃくしゃとかきむしり思い出したようにデスクをダンッと叩いたが、あんたに私の代わりが出来るのかと言わんばかりの表情で綾香の腕を掴んだ。

『痛っ』
手を振りほどきたいが足元がふらつきデスクに手をついて支えるだけになる。

『来なさいっ』
Á先輩は悔しさと苛立ちと焦りから顔を歪めている。

そのまま会社の車に乗せられたがそこには柳瀬部長と吉川もいて何かがあったのか疲れきっているような顔をしている為に何処に連れて行かされるのか、部長までもがたじろぐ場所に自分が行ってもいいのかと不安が押し寄せた。

何処に連れて行かされるの!!?
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