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依存体質
第4章 酷くて優しい
「杏ちゃんには、曖昧なことを言っても混乱させてしまうだけだから…ハッキリ言おう」
「僕は杏ちゃんと付き合いたいよ、結婚もできればしたい」
「…えっ…」
「あはは!驚いたね」
「だって…結婚ってずっと一緒に住んだり…あの、子どもを育てたり…」

「そうだよ、好き同士楽しくデートなんかして、お互いにそろそろかなと思ったら結婚して子どもを作るんだ」
「と言っても、付き合うためには杏ちゃんが僕のことを好きになってくれないといけないけどね、そこは僕にはどうにもできないところだから」

私と結婚…一緒に住みたい…子どもを作りたい?
なんだか不思議なことばかり言われている…
真っ直ぐな瞳。
こんなに純粋な瞳で私を見てくれた男性がかつていただろうか。

「でも…父の許可を取らないと…」
「許可?そんなものいらないよ。恋愛は個人の自由だから」
「ダメなんです、私は…」

コンコン!コンコン!
「は、はいっ…!」
「杏、お父さんだよ。おかげで今回も商談が綺麗にまとまったよ」
「そう…それは良かった…」
「それだけだ、邪魔して悪かった」

「ちょっと待ってください、大森さん」
「おお?その声は、樹くんかい?」
「はい、事情もありドア越しで申し訳ありません。突然ですが…その、僕にお嬢さんを任せて下さいませんか?」
「…おお?またどういう経緯だねそれは」
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