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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
翌朝、暁はまた月城の貌をまともに見ることができなかった。

「暁様、朝食はしっかり召し上がらないといけませんよ。パリではあまりお食事を召し上がらなかったのではありませんか?…少しお痩せになりましたね…」
ダイニングテーブルに炊き立ての白米、焼き立ての塩鮭、熱々の味噌汁、出汁巻き玉子、ほうれん草のおひたしなどを手際よく並べながら、窘めるように言う。
午後から出勤するので、ラフな青の細かいストライプのシャツに黒いスラックス、ギャルソンエプロンという格好がうっとりするくらいに似合っている。

「…う、うん…まあ…」
…数時間まで…あんなにいやらしいことをたくさんしておいて…よくそんな爽やかで涼しい顔ができるな…。
…結局、暁は明け方まで、月城から解放してもらえなかったのだ。

…何度、身体を繋げたか…もう覚えてはいない。
「…も…う…できな…い…むり…」
…達きすぎてつらいのだと泣きながら訴えても、月城は
「…まだだめです…私を満足させてください…」
…と、美しい微笑みと脳髄まで蕩かすような美声で囁かれ、暁は息も絶え絶えになりながら、身体を開いた。
苦しいのは快感が昂まりすぎるからだ。
挙げ句の果て、達しながら意識を失った。

意識を失っている自分を月城は当然のように抱いていた。
切れ切れな記憶の中で、月城の美しく冷酷で…しかし情熱的な野獣のような愛撫が蘇る。
ぐったりとした人形のような暁を、思うさま犯していたのだ…。

…眠る僕に…よくあんなこと…いや、僕が何でもしていい…て言ったんだから…それはいいんだけど…。

…でも…月城は意識のない僕を抱くのが好きみたいだ…。
月城の完璧な人形のように美しい横顔を盗み見る。
朝陽に輝くその禁欲的な美貌からは、昨夜の淫らな気配など、微塵も感じさせない。

暁は、自分しか知らない月城の倒錯的で偏執的な歪んだ愛を感じて、背筋がぞくりとする。
…でも…嫌じゃない…。
月城がすることは全て…嫌じゃない…。
…僕はそれくらい、月城が好きなんだ…。

「…暁様、暁様…」
想いに耽っている暁の顎を摘み上げる。
暁ははっと我に帰る。
「…あ…」
近くで見つめられ、暁は真っ赤になった。
「…冷めますよ…」
心の中を見透かされたように、ふっと微笑まれる。
「…う、うん…食べるよ…」
恥じらいながら俯く暁の美しい髪に、月城はそっとくちづけた。
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