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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
薫は涙で黒い瞳を潤ませながら、じっと泉を見つめた。
「…ねえ…これが…セックスなの?」
あどけない物言いに、泉は思わず笑いを漏らす。
「いいえ。違います。…これは…そうですね。薫様の自慰のお手伝いをさせていただいた…というところでしょうか…」
「…自慰…?」
「自慰を恥ずかしがることはありませんよ。男子の自然な欲求なのですから。…さあ、下着をお脱ぎください。濡れて気持ちが悪いでしょう?」

泉はもうすっかり穏やかな執事の貌になり、薫の傍らに跪いた。
「待って…。…あの…う…泉は?…泉は…その…出さなくていいの…?…あんなに…その…硬くなっていたのに…」
もじもじしながら美しい白い頬を染める薫に、泉は目線を合わせて穏やかに笑う。
「良いのです。私は…。薫様に気持ちよくなっていただきたかっただけですから…」
薫はその言葉を聞き、唇を尖らせる。
「そんなの…!僕は泉にも気持ちよくなってほしいのに!…て言うか…僕は…泉と…セ、セックスがしたいのに…」
赤くなりながら必死に話す薫が可愛い。
泉は真顔になると、薫の小さな手を握りしめる。
そして昔、薫が聞き分けがないことを言い張った時、宥めたように、じっと目を合わせゆっくりと口を開く。
「…薫様、よろしいですか。…このような行為は本来は大人になるまではしてはならないのです。私は薫様が愛おしくて堪らないばかりに、つい一線を超えてしまいました。私は…執事失格です。旦那様にも奥様にも顔向けができません…」
男らしく澄み切った黒い瞳が哀しげに曇る。
「そんなことない!泉は悪くない!僕が泉と愛し合いたくて無理を言ったんだ!僕は泉が好きだ!だから泉は悪くない!」
薫は地団駄を踏みながら、叫ぶ。
泉は静かに微笑み、薫の髪を撫でる。
「…それでも…大人は我慢しなくてはならないのです。まだその行為がどのようなものか良く分かっていないようないたいけな子ども相手に、そんな行為をしてはならないのです。…そんなことは重々分かっていたはずなのに…薫様が可愛いくて仕方なくて…他の方に奪われたくなくて…申し訳ありません…」
詫びる泉を見たくなくて、薫は泉に抱きつく。
「謝らないで!泉…。僕は泉が好きだよ。大好きだ!…僕…早く大人になる。…早く早く大人になる。…だから…待っていて…泉…。僕を待っていて…!」
縋り付いて声を詰まらせる薫を、泉は強く抱きしめる。
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