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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第1章 夏の華
数日後の日曜日の朝、月城は慌ただしく麻布十番の自宅に帰宅した。
すぐに隣りの暁の自宅に入る。
「暁様、暁様…」
…暁はどこにもいなかった。
家政婦の糸も、この数日いた気配もない。
…もしや、あの夜会の日からずっと縣邸にいらっしゃるのだろうか…?
あの夜礼也は、このまま松濤の家に連れて行くというようなことを言っていた。
…そのまま、縣邸にいらっしゃるのだろうか…。
あの夜の、暁の寂しげな貌が蘇る。
胸の奥がちくりと痛んだ。
あの夜、なぜ自分は優しい言葉のひとつも掛けてあげなかったのだろうか…。
暁は、止むに止まれずに階下を訪れたに違いないのに…。
何か伝えたいことがあったに違いない。
暁の気持ちを少しも思い遣ってやれずに、世間体ばかりを気にした自分に猛烈に腹が立ってきた。
月城はそのまま暁の家を出ると、猛然と松濤の縣邸に向った。
すぐに隣りの暁の自宅に入る。
「暁様、暁様…」
…暁はどこにもいなかった。
家政婦の糸も、この数日いた気配もない。
…もしや、あの夜会の日からずっと縣邸にいらっしゃるのだろうか…?
あの夜礼也は、このまま松濤の家に連れて行くというようなことを言っていた。
…そのまま、縣邸にいらっしゃるのだろうか…。
あの夜の、暁の寂しげな貌が蘇る。
胸の奥がちくりと痛んだ。
あの夜、なぜ自分は優しい言葉のひとつも掛けてあげなかったのだろうか…。
暁は、止むに止まれずに階下を訪れたに違いないのに…。
何か伝えたいことがあったに違いない。
暁の気持ちを少しも思い遣ってやれずに、世間体ばかりを気にした自分に猛烈に腹が立ってきた。
月城はそのまま暁の家を出ると、猛然と松濤の縣邸に向った。