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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第5章 緑に睡る

…その夜、紳一郎は広い寝台の上で何度も寝返りを打った。
なかなか寝付けないのだ。
暑さからではない。
軽井沢の夜は涼しくて、さらさらとした風が窓からそよぎ、いつもなら東京と違いぐっすりと眠れるはずなのに…。
紳一郎はその手に握りしめていたシャツをじっと見つめる。
…十市のシャツだ。
今日、屋敷まで送ってもらった時に紳一郎があまりに蒼ざめた貌をしていたので
「坊ちゃん、寒いですか?…これ、着て下さい」
と、自分が羽織っていたシャツを脱ぐと紳一郎の肩に掛けたのだ。
…十市のシャツ…。
そっと貌を埋め、息を吸い込む。
…十市の匂いだ…。
安煙草と南国の熟れた果物と…そして…ぞくぞくするような男の…いや、濃い牡の匂い…。
「…あ…ああ…」
紳一郎はシャツに貌を埋めたまま、思わず吐息を漏らす。
身体の芯が熱くなり、昼間見た光景が蘇る。
…十市の逞しい身体…腰…そして…あのむせ返るような牡の性的魅力を発する長大な性器…。
再び、紳一郎のまだ未熟な性器が硬く兆してきた。
ずきずきと脈打つ花茎を、持て余し紳一郎は白く長い寝間着の裾から手を入れる。
下着を下ろし、己れの花茎を握りしめる。
紳一郎は自慰をしたことがない。
ませた級友は
「…兄さんの本棚からくすねてきた」
と外国のポルノ雑誌を学校に持ってきて皆から英雄視されていた。
「今夜、これを使うヤツはいない?貸してやってもいいぜ」
わざと偽悪ぶって笑う級友を紳一郎は心の中で軽蔑していた。
…女の裸で何で興奮するんだ?…気持ち悪い…。
紳一郎は女の豊かな乳房や丸い尻などとにかく女に纏わるものが大嫌いだった。
…成熟した、色気のある女は全て母を彷彿させるからだ。
だから自慰をしたことはなかった。
…けれど…。
紳一郎は苦しげに声を押し殺しながら握りしめた性器を擦り上げる。
…目を閉じて、十市の裸を思い浮かべる。
十市の逞しい身体…厚い胸板…そして硬質で重たげな性器…。
…大きな手が紳一郎の性器を握りしめる妄想を思い浮かべる。
「…ああ…っ…ん…じゅう…いち…っ…」
…この手が…十市だったら…!
そう考えただけで、全身が震えるような悦楽が紳一郎を襲う。
「…んっ…十市…すき…」紳一郎は息を弾ませながら必死で自慰を続ける。
…十市が…僕を…こんな風に…抱いてくれたら…。
あり得ないような甘美な妄想をいだく。
なかなか寝付けないのだ。
暑さからではない。
軽井沢の夜は涼しくて、さらさらとした風が窓からそよぎ、いつもなら東京と違いぐっすりと眠れるはずなのに…。
紳一郎はその手に握りしめていたシャツをじっと見つめる。
…十市のシャツだ。
今日、屋敷まで送ってもらった時に紳一郎があまりに蒼ざめた貌をしていたので
「坊ちゃん、寒いですか?…これ、着て下さい」
と、自分が羽織っていたシャツを脱ぐと紳一郎の肩に掛けたのだ。
…十市のシャツ…。
そっと貌を埋め、息を吸い込む。
…十市の匂いだ…。
安煙草と南国の熟れた果物と…そして…ぞくぞくするような男の…いや、濃い牡の匂い…。
「…あ…ああ…」
紳一郎はシャツに貌を埋めたまま、思わず吐息を漏らす。
身体の芯が熱くなり、昼間見た光景が蘇る。
…十市の逞しい身体…腰…そして…あのむせ返るような牡の性的魅力を発する長大な性器…。
再び、紳一郎のまだ未熟な性器が硬く兆してきた。
ずきずきと脈打つ花茎を、持て余し紳一郎は白く長い寝間着の裾から手を入れる。
下着を下ろし、己れの花茎を握りしめる。
紳一郎は自慰をしたことがない。
ませた級友は
「…兄さんの本棚からくすねてきた」
と外国のポルノ雑誌を学校に持ってきて皆から英雄視されていた。
「今夜、これを使うヤツはいない?貸してやってもいいぜ」
わざと偽悪ぶって笑う級友を紳一郎は心の中で軽蔑していた。
…女の裸で何で興奮するんだ?…気持ち悪い…。
紳一郎は女の豊かな乳房や丸い尻などとにかく女に纏わるものが大嫌いだった。
…成熟した、色気のある女は全て母を彷彿させるからだ。
だから自慰をしたことはなかった。
…けれど…。
紳一郎は苦しげに声を押し殺しながら握りしめた性器を擦り上げる。
…目を閉じて、十市の裸を思い浮かべる。
十市の逞しい身体…厚い胸板…そして硬質で重たげな性器…。
…大きな手が紳一郎の性器を握りしめる妄想を思い浮かべる。
「…ああ…っ…ん…じゅう…いち…っ…」
…この手が…十市だったら…!
そう考えただけで、全身が震えるような悦楽が紳一郎を襲う。
「…んっ…十市…すき…」紳一郎は息を弾ませながら必死で自慰を続ける。
…十市が…僕を…こんな風に…抱いてくれたら…。
あり得ないような甘美な妄想をいだく。

