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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第5章 緑に睡る
「…坊ちゃん!俺は…」
「…十市…?」
未知の経験と快楽に翻弄され、紳一郎は意識を朦朧とさせる。
身体の中…十市に抉られている肉筒の中が、とろとろとした篝火のような炎が燃え滾るのが分かる。
霞がかかったような眼差しの紳一郎を、十市は改めて掻き抱き、容赦なく頑強な腰を打ち付ける。
「ああっ…!…そんな…深…い…」
「…俺は…あんたを…あんたを…」
…その先の言葉を苦しげに飲み込む。

何かを決意したかのような男の激しい律動が始まる。
人形のように乱暴に揺すぶられるのに…一突き毎に紳一郎は身体の内側から沸き起こる悦楽の泉を感じていた。
紳一郎の狭い花筒を、十市は荒々しく犯す。
…もはや優しい言葉も愛撫もなく…
ひたすらに愛欲と劣情の赴くままに自分の身体を貪る男を…紳一郎はひたすらに愛おしいと思った。

白く霞がかかってゆく意識の中、紳一郎は甘く掠れる声で呟く。
「…十市…愛してる…」
…十市は…?

投げかける言葉に、十市は一瞬表情を歪ませたが、もう何も語らすまいとするかのようにその薄紅の唇を乱暴に奪い、ひたすらにその熱く蕩け始めた紳一郎の最奥を犯し続けるのであった。
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