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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第7章 聖夜
「…んっ…あ…ああ…ん…」
キス一つで感じ始める暁が堪らなく愛おしい。
シャツを脱がし、スラックスを下着毎押し下げる。
橙色の暖炉の炎に暁の白くきめ細やかな肌が茜色に染め上げられ、この世のものとは思えない美しい艶めいた姿が現れる。
「…暁様…綺麗だ…」
身体を仰向けにして押し開くようにして、全身を熱い眼差しで見つめる。
「…や…そんなに…みないで…」
暁は恥じらうように首を振る。
「…もう僕も三十半ばを過ぎた…。綺麗な訳がない」

…暁は不安で仕方がない。
月城はいつも賞賛してくれるが、歳と共に肉体は衰える。
それをいつまで月城は執着してくれるのか…。
「いいえ。貴方はいつも変わることなくお美しいです。…何をご心配なさっているのか分かりませんが、私は貴方のことを歳を追うごとに夢中になっているのですよ。
…」
月城は掬い上げるように暁を抱き上げ、狂おしくくちづけを繰り返す。
「…んっ…は…あ…ん…っ…」
「貴方のすべてが愛おしい…このお美しいお貌も、この感じやすいお身体も…何もかもが…」
「…うれし…い…。ねえ…月城も…脱いで…」
暁の白い手が月城の上着を脱がし、ネクタイを外す。
その間も男に唇を激しく貪られている。
シャツを脱がせると、細身だが美しい筋肉が付いた彫像のような身体が現れた。
暁は眼を潤ませ、月城の身体中にキスを落とす。
「…つきしろ…すき…だいすき…」
月城の身体は暁をいつも欲情させる。
彼の裸を見て触れるだけで身体の芯が熱く疼くのだ。
「…暁様…私が…欲しいですか…?」
月城が怜悧な瞳に妖しい色を浮かべながら微笑む。
「…欲しい…君が…」
震える煌めく瞳で、暁が頷く。
月城は暁を毛足の長い敷物の上にそっと押し倒す。
「…どうして欲しいですか?」
暁の艶やかな髪を撫でながら尋ねる。
月城の手を取り、くちづける。
「…激しくして…めちゃくちゃにして…」
月城の美しい瞳が眇められる。
暁の桜貝のような耳朶が甘噛みされ、低い声で囁かれた。
「…お望みのままに…」
…そのあとは、月城の優雅なまでの野蛮な愛撫とくちづけにひたすらに翻弄され、暁は切なく甘い声で啼き続けることしかできなかった。



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