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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第10章 初月の夜も貴方と
…愛の営みは、一度では終わらなかった。
正常位で果てたのちに裏返され、腰を高々と掲げさせられ、まだ月城の牡液がしとどに滴り落ちる淫孔に全く硬度を失わぬ雄蕊を捻じ込まれた。
「…ああっ…!」
暁がほっそりとした背中を仰け反らせ掠れた声を上げる。
「…貴方のここは…何度犯しても狭いですね…まるで幼気な処女のようだ…」
荒々しく腰を打ち付けながら、暁の薄い耳朶を噛む。
熱を帯びた月城の囁きが恍惚へといざなう。
「…んんっ…!…は…ああ…っ…ん…」
「…骨盤も…相変わらず狭くて…壊してしまいそうだ…」
そう呟きながらも月城は激しい律動を止めない。

月城の性交はその怜悧に整った禁欲的な美貌と裏腹に、いつも激しく濃厚だった。
暁の身体を貪るように愛し尽くす。
暁が月城の余りに濃密な愛撫や動きに悦がりながら泣き出すと、初めて優しく抱きしめくちづけてくれる。
「…申し訳ありません…貴方を抱くと私は尋常ではない想いに囚われてしまうのです。…貴方をこの腕に閉じ込めて私のものにしてしまわないと、貴方が何処かに消えてしまわれるような気がして…」
…そして…この魔性の身体が…私を虜にする…。
そう熱く囁かれると、暁はその言葉だけで達してしまうのだ。
「…ああ…森…すき…」
「…愛しているとは仰っていただけませんか…?」
甘く誑かすような美しい男の声が鼓膜の中をも犯す。
「…愛している…愛…して…」
子どものような稚い口調で繰り返す。
終わらない濃厚な抽送は暁を天国のような悦楽に導き…やがて男の腕の中でそっと意識を手放すのだ…。


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