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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第10章 初月の夜も貴方と
…そうして二度果てたのちのことは…暁はもはや記憶にない。
けれど、意識のない暁を人形のように抱くのが月城の嗜好だと知ってからは、暁は全身が燃え滾るような羞恥に襲われる。
「…まるで眠り姫のような貴方を私の好きなように抱いているんだ…。もちろん中で種付けもしているよ。
…本当に覚えていないの…?暁…」
目覚めたのちに、ぞくりとするような官能的な眼差しで微笑まれ、そのひんやりとした手で頬を撫でられる。
甘く膿んだ戦慄が下肢を駆け抜ける。
月城の気高く禁欲的な唇からそのような淫らな言葉が出てくることに倒錯的な快美感を覚える。
暁は白い頬を桜色に染めながら、男に抱きついた。
「…覚えてない…そんなの…」
「…こんな偏執的な男を嫌いになる…?」
「…嫌いになるわけない…。僕は君がすることならなんでも嬉しい…。
…君になら…何をされてもいい…。だって、僕は君をどうしようもないくらいに愛しているし…それに…君に愛されているのを知っているから…」
透明な涙が一雫、美しい目尻から溢れ落ちる。
「…いい子だ。…暁…」
その涙を愛おしげに拭いながら、月城の尚も熱い唇が暁の唇を愛の言葉ごと封じ込めた…。
けれど、意識のない暁を人形のように抱くのが月城の嗜好だと知ってからは、暁は全身が燃え滾るような羞恥に襲われる。
「…まるで眠り姫のような貴方を私の好きなように抱いているんだ…。もちろん中で種付けもしているよ。
…本当に覚えていないの…?暁…」
目覚めたのちに、ぞくりとするような官能的な眼差しで微笑まれ、そのひんやりとした手で頬を撫でられる。
甘く膿んだ戦慄が下肢を駆け抜ける。
月城の気高く禁欲的な唇からそのような淫らな言葉が出てくることに倒錯的な快美感を覚える。
暁は白い頬を桜色に染めながら、男に抱きついた。
「…覚えてない…そんなの…」
「…こんな偏執的な男を嫌いになる…?」
「…嫌いになるわけない…。僕は君がすることならなんでも嬉しい…。
…君になら…何をされてもいい…。だって、僕は君をどうしようもないくらいに愛しているし…それに…君に愛されているのを知っているから…」
透明な涙が一雫、美しい目尻から溢れ落ちる。
「…いい子だ。…暁…」
その涙を愛おしげに拭いながら、月城の尚も熱い唇が暁の唇を愛の言葉ごと封じ込めた…。