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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
「…温室…?」
おずおずと尋ねる暁に美しい切れ長の瞳が細められる。
「はい。縣様の温室もそれはそれは素晴らしいと伺っておりますが、当家の温室もなかなかのものですよ。
…亜熱帯の珍しい植物や、椰子の木…バナナの木もあるのです」
「バナナ…?」
先日初めてデザートで出たバナナ…。
初めて見たそれは、甘くて蕩ける高級な菓子のような美味な果物だった。
それが実っている樹があるなんて…!
暁は思わず叫んでいた。
「見てみたいです!」
…初めて子どもらしい反応を見せた暁に、月城は微笑みながら頷き、そっと白手袋の手を差し伸べた。
「…どうぞこちらに…」
おずおずと尋ねる暁に美しい切れ長の瞳が細められる。
「はい。縣様の温室もそれはそれは素晴らしいと伺っておりますが、当家の温室もなかなかのものですよ。
…亜熱帯の珍しい植物や、椰子の木…バナナの木もあるのです」
「バナナ…?」
先日初めてデザートで出たバナナ…。
初めて見たそれは、甘くて蕩ける高級な菓子のような美味な果物だった。
それが実っている樹があるなんて…!
暁は思わず叫んでいた。
「見てみたいです!」
…初めて子どもらしい反応を見せた暁に、月城は微笑みながら頷き、そっと白手袋の手を差し伸べた。
「…どうぞこちらに…」