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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第2章 初戀のひと
痛いくらいに暁の貌をつかむ。
「貴方は馬鹿だ。私がいつ、子どもが欲しいと申しましたか⁈」
「…言ってないけれど…月城は…子どもが好きなような気がして…」
泣きじゃくる様子は暁の方が幼気な子どものようだ。
「…薫様が可愛かったのは、貴方の甥御様だからです。…薫様は、何となく貴方に似ておられた…。貴方がお小さい頃は、このように可愛らしかったのだろうと、愛おしく思っていたのです。…貴方の甥御様でなければ、子どもなど可愛いとは思いません」
「…月城…ほんと…に…?」
不安で仕方ないように、縋るような暁の瞳が月城を見つめる。
堪らずに月城は強く抱き締める。
「…私がこの世で一番大切で愛おしい人は暁様だけです。…自分の子どもなど欲しくもないし、興味もありません。…そんなことを今更貴方にお伝えしなくてはならないなんて…貴方は本当に私のことを分かっていらっしゃるのですか⁈」
暁が月城の胸に貌を埋めて、声を殺して泣きじゃくる。
「…分かっている…分かっているけど、不安なんだ…。
君が僕と一緒にいて、後悔しないのか…ずっとずっと不安で仕方ないんだ…」
月城は優しく宥めるように告げた。
「貴方はご自分のことを全く分かっていらっしゃらないのですね。…貴方ほど美しく妖しく儚げで…そして可愛らしい方など他にはいないというのに…」
月城は暁の顎を持ち上げる。
「…私は貴方の虜なのですよ…もう、ずっと…」
「…つき…しろ…」
暁の黒曜石のような黒い瞳が涙を浮かべながらも、月城を食い入るように見つめる。
暁の唇は熱を持ったように熱かった。
その傷つき易い果実のような唇を月城は情熱的に奪う。
「…んっ…あ…ああ…っ」
「貴方がもう二度と、そんな下らないことを言いださないように…今夜は貴方をお仕置きします…」
くちづけの合間に、甘く残酷な囁きを鼓膜に吹き込む。
「…もう二度と…私に女との間に子どもを作れなどと言いださないように…」
耳朶を痛いほど噛まれる。
甘い陶酔に酔いしれながら、暁は微笑む。
「…お仕置き…して…たくさん…して…」
無意識の媚態を受け、月城は腹立たしげに暁を抱き上げ寝室に運ぶ。
「…覚悟なさい。…明日は一歩も歩けないほど、可愛がって差し上げますよ」
男の怒っているのに、甘い囁きに暁は首筋にしがみつく。
「…して…君が…滅茶苦茶にして…」
そうして、寝室の扉は静かに閉まった。
「貴方は馬鹿だ。私がいつ、子どもが欲しいと申しましたか⁈」
「…言ってないけれど…月城は…子どもが好きなような気がして…」
泣きじゃくる様子は暁の方が幼気な子どものようだ。
「…薫様が可愛かったのは、貴方の甥御様だからです。…薫様は、何となく貴方に似ておられた…。貴方がお小さい頃は、このように可愛らしかったのだろうと、愛おしく思っていたのです。…貴方の甥御様でなければ、子どもなど可愛いとは思いません」
「…月城…ほんと…に…?」
不安で仕方ないように、縋るような暁の瞳が月城を見つめる。
堪らずに月城は強く抱き締める。
「…私がこの世で一番大切で愛おしい人は暁様だけです。…自分の子どもなど欲しくもないし、興味もありません。…そんなことを今更貴方にお伝えしなくてはならないなんて…貴方は本当に私のことを分かっていらっしゃるのですか⁈」
暁が月城の胸に貌を埋めて、声を殺して泣きじゃくる。
「…分かっている…分かっているけど、不安なんだ…。
君が僕と一緒にいて、後悔しないのか…ずっとずっと不安で仕方ないんだ…」
月城は優しく宥めるように告げた。
「貴方はご自分のことを全く分かっていらっしゃらないのですね。…貴方ほど美しく妖しく儚げで…そして可愛らしい方など他にはいないというのに…」
月城は暁の顎を持ち上げる。
「…私は貴方の虜なのですよ…もう、ずっと…」
「…つき…しろ…」
暁の黒曜石のような黒い瞳が涙を浮かべながらも、月城を食い入るように見つめる。
暁の唇は熱を持ったように熱かった。
その傷つき易い果実のような唇を月城は情熱的に奪う。
「…んっ…あ…ああ…っ」
「貴方がもう二度と、そんな下らないことを言いださないように…今夜は貴方をお仕置きします…」
くちづけの合間に、甘く残酷な囁きを鼓膜に吹き込む。
「…もう二度と…私に女との間に子どもを作れなどと言いださないように…」
耳朶を痛いほど噛まれる。
甘い陶酔に酔いしれながら、暁は微笑む。
「…お仕置き…して…たくさん…して…」
無意識の媚態を受け、月城は腹立たしげに暁を抱き上げ寝室に運ぶ。
「…覚悟なさい。…明日は一歩も歩けないほど、可愛がって差し上げますよ」
男の怒っているのに、甘い囁きに暁は首筋にしがみつく。
「…して…君が…滅茶苦茶にして…」
そうして、寝室の扉は静かに閉まった。