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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第2章 初戀のひと
「…暁様、大丈夫ですか…?」
暁は恥ずかしそうにブランケットを頭から被っている。
「…暁様、お貌を拝見しませんと、私は心配で出勤することができません」
やや哀しげに言われ、仕方なくそろそろとブランケットを下げる。

朝陽が輝く中、完璧な執事の正装をした月城が微笑みながら佇んでいる。
艶やかで美しい黒髪はきちんと撫でつけられ、毛筋ほどの乱れもなく整われている。
ひんやりとした怜悧な美貌で見下ろされ、暁は身悶えるほどの羞恥を感じた。

「…暁様、縣商会には暁様は体調不良でお休みする旨のご連絡をしておきました」
涼やかな声で言われ、暁は眼を伏せる。
「…うん…」
「…糸さんには、朝食と昼食は寝室にお持ちするように伝えておきました。…本日は起き上がられるのは無理かと存じますので」
「…うん…」
…糸にも自分のはしたない行為を知られてしまったと暁は首筋を朱に染める。

月城が身体を屈め、暁の額に額を押し当てる。
「…昨夜は、また無体をしてしまい…申し訳ありません…」
暁がぱっと瞳を上げると、睫毛にキスを落とされた。

…昨夜の営みで暁がはっきりと覚えているのは、二度目の性交までだ。
三度目の性交は意識が朦朧とした中、月城に激しく求められたことだけは覚えている。
寝台に手を付かされ、後ろから荒々しく犯された。
月城の野獣のような激しい息遣いはまだ耳に残っている…。
夢うつつの中、いやらしい言葉を口走ったことも辛うじて、覚えている。
…そして、体内に何度放出されたか分からない熱い牡液を浴び、再び暗い悦楽の沼に引き摺り込まれたのだ…。

「…いい…だって…僕がしたかったんだから…」
「…可愛い方だ…」
…私が無理やり犯したのに…と、囁きながら暁の唇を奪う。

月城はしなやかに立ち上がると、端正な貌で優しく伝える。
「…それでは私は出勤いたします。…夜勤を終えましたら、お貌を拝見しにまいります。…ごゆっくりお休み下さいませ」
暁は頷いた。
後ろ姿を見せ、寝室を退出しようとする月城を呼び止める。
「…月城…」
月城が振り返る。
小さく恥ずかしそうに呟く。
「…愛している…」
月城の眼鏡の奥の瞳が優しく細められる。
「…私も、愛しております」
月城はゆっくりと愛の眼差しを残したまま寝室を出た。

「…愛している…月城…」
暁はもう一度呟くと、再び瞼を閉じ幸せそうに微笑んだのだった。

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