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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第14章 Coda 〜last waltz〜
「僕は絶対に死なない」
「…そんな…」
暁人の大きな温かい手が薫の頬に触れる。
愛おしげに何度もそれを撫でる。
「僕は絶対に死なない。生涯薫を守る為に…絶対に死なない。絶対に生き延びる。生き延びて、戦争が終わったら薫と生きる。絶対に離れない」
薫は白い頬に透明な涙を伝わせながら、瞬きもしないで強い眼差しで暁人を見据えた。
「…約束だぞ」
「約束する」
「裏切ったら…殺す!」
暁人は大人びた端正な貌に愉快な表情を浮かべ、陽気に笑った。
「凄い矛盾だな。…でも…薫に殺されるなら本望だ」
苛立ったように薫が叫ぶ。
「暁人のバカ!」
言いながら暁人のシャツの胸元を乱暴に引き寄せ、怒りの感情のまま、激しいくちづけを与えた。
「…薫…」
驚く暁人に今度は優しく唇を重ねた。
「絶対…死なないで…」
「…薫…!」
今までの紳士的な落ち着きをかなぐり捨て、暁人が薫の唇を奪う。
…何度も…何度も…。
舌を絡め、唾液を交換するような大人の濃密なくちづけだ。
薫は拒まなかった。
自分から口を開き、薄い舌を暁人のそれに絡める。
甘い蜜のような薫の舌を暁人は夢中で吸う。
「…ああ…っ…ん…あき…と…」
「…薫…薫…好きだ…愛している…」
男らしい低い吐息が耳朶を掠め、身体の奥が甘く疼く。
幾度も幾度も…飽きることなくくちづけを繰り返す。
薫の柔らかな形の良い唇がすっかり腫れ上がってしまったのを見て、暁人は初めて名残惜しげに唇を離した。
荒々しい呼吸が止まらない。
暁人は華奢な薫の身体が折れるほど、強く抱きすくめた。
「…ごめん…とまらなくて…痛かったよね…」
薫は黙って首を振り、暁人のシャツをぎゅっと握りしめた。
…精を放ってしまいそうな…蕩けるような快感を二人は感じていた。
呼吸を整え、薫の貌を愛おしげに見つめる。
「…待っていてくれる?僕がどこに行っても。必ず薫のところに帰るから…」
紅潮した頬のまま、つんと唇を尖らせる。
「仕方ない。待ってやる」
暁人はほっとしたように微笑んだが、大切なことを思い出したようにおずおずと尋ねた。
「…あのさ、僕達の関係てさ…その…恋人てことでもういいのかな…?」
「…そんな…」
暁人の大きな温かい手が薫の頬に触れる。
愛おしげに何度もそれを撫でる。
「僕は絶対に死なない。生涯薫を守る為に…絶対に死なない。絶対に生き延びる。生き延びて、戦争が終わったら薫と生きる。絶対に離れない」
薫は白い頬に透明な涙を伝わせながら、瞬きもしないで強い眼差しで暁人を見据えた。
「…約束だぞ」
「約束する」
「裏切ったら…殺す!」
暁人は大人びた端正な貌に愉快な表情を浮かべ、陽気に笑った。
「凄い矛盾だな。…でも…薫に殺されるなら本望だ」
苛立ったように薫が叫ぶ。
「暁人のバカ!」
言いながら暁人のシャツの胸元を乱暴に引き寄せ、怒りの感情のまま、激しいくちづけを与えた。
「…薫…」
驚く暁人に今度は優しく唇を重ねた。
「絶対…死なないで…」
「…薫…!」
今までの紳士的な落ち着きをかなぐり捨て、暁人が薫の唇を奪う。
…何度も…何度も…。
舌を絡め、唾液を交換するような大人の濃密なくちづけだ。
薫は拒まなかった。
自分から口を開き、薄い舌を暁人のそれに絡める。
甘い蜜のような薫の舌を暁人は夢中で吸う。
「…ああ…っ…ん…あき…と…」
「…薫…薫…好きだ…愛している…」
男らしい低い吐息が耳朶を掠め、身体の奥が甘く疼く。
幾度も幾度も…飽きることなくくちづけを繰り返す。
薫の柔らかな形の良い唇がすっかり腫れ上がってしまったのを見て、暁人は初めて名残惜しげに唇を離した。
荒々しい呼吸が止まらない。
暁人は華奢な薫の身体が折れるほど、強く抱きすくめた。
「…ごめん…とまらなくて…痛かったよね…」
薫は黙って首を振り、暁人のシャツをぎゅっと握りしめた。
…精を放ってしまいそうな…蕩けるような快感を二人は感じていた。
呼吸を整え、薫の貌を愛おしげに見つめる。
「…待っていてくれる?僕がどこに行っても。必ず薫のところに帰るから…」
紅潮した頬のまま、つんと唇を尖らせる。
「仕方ない。待ってやる」
暁人はほっとしたように微笑んだが、大切なことを思い出したようにおずおずと尋ねた。
「…あのさ、僕達の関係てさ…その…恋人てことでもういいのかな…?」