この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第14章 Coda 〜last waltz〜
薫は今更か?とでも言いたげな呆れたような貌をしたが、仏頂面のまま答えた。
「鈍感なんだから…」
すたすたと部屋を横切り、隅の二人の寝具が置いてあるところに行き、乱暴に寝転がった。
「疲れたからもう寝る!」
猛然とブランケットを被ってしまった。
暁人が慌てて近づき、おろおろと声をかける。
「か、薫…!それって…恋人でいいってこと…?ねえ…薫はすごくもてるから…本当に僕でいいのかな…て…あの…」

大きなため息と共に薫が振り返る。
いつもの癇癪を起こす寸前の貌をしていた。
暁人は思わずびくりと怯えた。

「暁人!一度しか言わない。よく聞けよ!」
「う、うん!」
腹立たしくて堪らないような表情で、薫が叫んだ。
「愛してる!お前だけだ!」
「へ…?」
素っ頓狂な声を出す暁人を尻目に
「もう寝る!」
ブランケットを頭から被り、背を向けてしまった。
暁人は薫に駆け寄り、慌ててその身体を揺さぶる。
「ちょっ…薫…薫…!…も、もう一回言ってくれないかな…薫…よく聞き取れなか…」
「うるさい!一回だって言っただろ!バカ!もう寝るったら寝る!」
「…薫…」
癇癪を爆発させた薫に為すすべもなく、暁人はしょんぼりとうなだれた。


…部屋の隅で惰眠を貪っていたカイザーは、そんな暁人をやや同情的な眼差しでちらりと見遣り…やがて呑気な欠伸をひとつ漏らすと、そのまま再び眠りに落ちてしまうのだった。



/954ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ