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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第14章 Coda 〜last waltz〜
フロレアンの実家での料理の修行が無事に終わると、月城は改築したばかりの店のダイニングで、暁に打ち明けた。
「…え?船に乗りたい…て…つまり…漁をしたいってこと?」
暁は月城の前に置きかけたレモネードのグラスを倒しかけたほどに驚いた。
「はい。私は店で出す魚料理の材料を自分で揃えたいのです。
私が釣った魚を私が捌き、料理してお客様に召し上がっていただく…。
それをこの店の特徴にしたいのです」
「…へえ…。それはすごく素敵だね」
月城は眼鏡の奥の瞳を静かに輝かせ、続けた。
「フロレアンにも聞いたのですが、ニースの漁場はとても豊かだそうです。
魚介類も豊富に採れ、しかも味も極上だとか。
ニースでは、ブイヤベースや天ぷらに似たフリッターの料理や…とにかく様々な魚介を使う名物料理が多いのです。
…幸い私は日本海育ちですし、船に乗ったこともあります。
魚の目利きにも自信があります。
ぜひ、お許し願えませんでしょうか?」

暁は月城の隣に座り、彼の手を握りしめた。
「君がやりたいことをやって。遠慮なんてしないで。
…それから…」
甘い声で月城の引き締まった頬に触れる。
少し拗ねたような眼差しで男を見上げる。
「…一体、いつまで僕に敬語を使うつもりなの?」
月城は怜悧な美貌に笑みを浮かべた。
「今までの習慣は、なかなか抜けませんね。
…それに…私にとって貴方は、どれだけ崇めても足りないほどに神々しい方なのですから…」
華奢な白い顎を引き寄せる。
唇を重ねる寸前で、やや意地悪く尋ねる。
「…貴方もまだ私を名字で呼ばれますが…?」
暁は焦れたように眉を顰めた。
「…だって…月城は月城だから…」
そして、自分から男の薄く形の良い唇にキスをする。
潤んだ黒い宝石のような瞳に艶めいた色を滲ませ、付け加えた。
「…ベッドでは森…て呼ぶからいいんだ。…僕だけの呼び名だ…森…」
「…暁…!」
荒々しく腕を引き寄せられ、狂おしく唇を奪われ…暁は強く男にしがみついた。
…夢のように幸せだ…。
涙ぐみそうになりながら、暁からも熱いキスを繰り返すのだった。
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