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第12章 シーン　12

「どうします。飲み物の用意をする間シャワーを浴びてらっしゃいます？」
「詩織君は？」
「あたしは出る前にシャワーを浴びて来ましたし、用意をしますので。」
　詩織になりきっているあたしは化粧が落ちる可能性のあるシャワーは避けたかった。
「じゃあ、シャワーを浴びてくる事にしよう。」
　そう言ってバスルームに向かう浅田部長を見送ると、あたしはバッグを応接の横の台に置きベッドの方に正面を向けるとバッグの中のスイッチを入れた。ベッドルームの全景と鏡に映って応接の様子も映す事が出来る。持って来た紙袋からワインとつまみを出してテーブルに並べる。飲み物の用意が出来るとあたしはワンピースを脱いで下着姿になる。