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第13章 シーン　13

「そうだよな。」
「でしょう。」
「けれど、俺はちょっと違う事を考えていた。」
「え？」
「里菜、浅田部長に抱かれてどうだった？」
「え、なに？そんなこと聞くの？」
「もうやめても良い位の興奮だった？そんなことないだろう？」
　あたしは返事が出来ずに黙っていた。
「大切な里菜を他の男に抱かせて、なぜ俺はこんなにも興奮するのだろうって考えて見たんだ。ネットなんかで調べて見るとこういう趣味の男性は意外に多くて、男としてのＳ性に嫉妬や独占欲を切り裂かれるＭ性が入り混じっての快感だと分析している人がいたけれど、詰るところは非日常的な背徳の行為だと言う、いわばタブーを犯している禁忌の領域に踏み込む昂ぶりの様なものだと思う。皆が皆そうだとは言い切れないが、少なくとも俺はそうだ。そうすると背徳感がより強く感じられる状況であればあるだけ、快楽のエレベーターは上に登れると思うんだ。」