この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠密の華
第8章 七
「……もう、良いですよね?白夜、離れて……」
「ああ、じゃあ、このまま一緒に風呂へ入ろう」
「えっ!?お風呂!?」
漸く仕置きなるものが終わると思っていたが、白夜の言葉に驚かされる。一緒になんて、無理だ。私の――貧乳に気付かれてしまう。
「い、嫌です……一緒には、入りません」
というか、胡蝶は胸は大きいのだろうか。もし今私の貧乳を見せていて、後で胡蝶の胸を見たらおかしいと思うんじゃないだろうか。そうなったら、まずい……。
「ダメだ。絶対一緒に入る」
「そんな……」
「胡蝶、さあ来るんだ」
鼓動を速めながら、寝台から立ち上がる白夜を、顔も青ざめつつ見る。そんな私を置いて、白夜は扉に向かい歩き出す。有無を言わさずという風に。私には断る権利も与えず、そのままこちらを振り向く白夜の顔は冷徹な鬼の様だった。