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隠密の華
第8章 七
* * *
「胡蝶、こっちを向け」
城の中にある浴場へ連れて行かれると、私は白夜に後ろから抱き締められた状態で一緒に湯船へ浸からされた。必死に目を閉じていて欲しいと頼み込んで、先に浸からせても貰い、胸を見られるということは死守したが。白夜の方を向けと言ってくる白夜に、焦る気持ちは落ち着かないまま、鼓動を速めながら返事を返す。
「……絶対に、無理です……」
「さっきから強情だな?いつかは全て見るというのに……」
見られてたまるか。このエロガッパめ。
「では、その時までのお楽しみという事で……」
「無理だ。待てない。今日こそ、胡蝶と昨日の続きをしたい」
「……!」
「駄目か?胡蝶……」
心の声を偽りながらニコッと微笑むと、甘える様な声でねだり返される。後ろから抱き締められたまま、すりすりと顔を頭へすり寄せられて。私の胸は一瞬高鳴る。
「だ、駄目です……」
「言っておくが、焦らされれば焦らされる程、愛し合った時に激しくなるぞ」
……激しくなるって、何を言ってるんだ、コイツは。
「白夜、いい加減離れて下さい……」
腹部に巻き付けられている両手を離そうとすると、私はお尻に当たる硬いものの存在に気付いた。