この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠密の華
第8章 七
* * *
「桐、どうしたんだ?何故こんな時に、宿屋なんかに……」
着物に着替え城を出ると、そのまま桐へ連れられ町の宿屋に入った。二階建ての、民家と同じ石造りの建物。そこの二階の部屋を借りる事が出来たが、部屋へ入って早々私は桐へ尋ねる。しかし――
「都、胡蝶のふりをするのは、さっきみたいなことも平気でするってことなのか?」
「……違う」
「だったら何だよ!俺が来てなかったら、確実ヤられてたぞ!」
「ごめん。助けてくれてありがとう……」
桐から叱られ、素直に謝った。