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隠密の華
第8章 七
桐の言う通り、桐が来なければまずかった。感謝しないと。
「胡蝶、胡蝶って……胡蝶のふりをしてる時の都、俺はあんまり好きじゃねぇ」
「急に何故だ……?」
「胡蝶になると、お前手の届かないところに行くだろ!」
「要するに……寂しいんだな?」
「違うわ!」
桐と会話をしながら安心している自分に気付いたが、桐が唐突に顔を真っ赤にすると頬が緩む。やはりこいつといると面白い。……そう感じながら、寝台の前に立つ桐へ尋ねた。
「……で、これからどうする?」
「都と繋がりてぇ」
真剣な顔をした桐から、思わぬ答えが返ってくると唖然としたが。