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隠密の華
第9章 八

「何を言い出すのですか?私が胡蝶に似ているから、そんな事を……?」
「そうだ。都、お前は本当に驚く程、胡蝶と瓜二つ。まるで双子かと疑問になるぐらい似ている」
「しかし……それだけで、夫婦になるなど……」
声まで震え、鼓動は速くなる。……まさか、こんな頼み事をされるとは思ってもいなかった。無論、断らなければ。白夜の妻になるなど、あり得ない。
「設樂様……」
ごくっと唾を飲み込み、話し出す。しかし。
「絶対に、駄目です!都をあいつの嫁にするなんて!俺が許さねぇ!」
「桐。お前の意見は関係ない。お前が許さないだろうが、都が決める事だ」
先に不服そうに桐が話し出し、それに設樂様が冷たく返事をすると口ごもる。

