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隠密の華
第9章 八
……どうしたら良い。そんな考えは無駄だった。私は隠密。国の為なら命も捨てられる――
「……分かりました。私は、白夜の妻になります」
「!?おい、都!」
暫く考えた後に話すと、私は隣で驚く桐へ冷静なまま続ける。
「心配するな。これも国の為だ。私が白夜と夫婦になれば、我が国と白夜の国は平和協約を結ぶ」
「絶対に駄目だ!」
「桐、駄目なんだ。こうするしか方法が……」
「都はそれで良いのかよ!これから……ずっと胡蝶として生きていくって事だろ!都という名前を捨てるんだぞ!」
私より真剣に怒ってくれる桐の方が動揺している様に見えて、私は桐へ感謝した。