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隠密の華
第10章 九
しかし――
「……分かった。胡蝶の安全を考えよう。アイツを胡蝶の護衛にする」
白夜はそう話すと、私を自信の方へ引き寄せる。そしてすっぽりと両腕で体を包み込み、いとおしそうに私を見た。
「分かっているな?アイツに心変わりすれば、どうなるか」
「まさか、心変わりなんて……!」
「アイツだけじゃない。俺以外の男は、好きになるな。俺達の結婚は戦を終わらせる為だが、俺は本気でお前を愛している。胡蝶、それはお前も一緒だな?」
「勿論……私も白夜が……」
余裕そうな笑みを浮かべられると、緊張して上手く話すことが出来ない。胡蝶は凄い。子供の頃とはいえ、こんな男を愛したのだから。
「では、誓え」
「誓う……?とは?」
「今ここで、誓いの口付けを」
「えっ?設樂様がいる前で!?」
突拍子もない事を言ってくる白夜に、私は唖然とした。