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隠密の華
第13章 十二
……私を胡蝶だと思っているとはいえ、このまま白夜へ気持ちがないまま抱き合っても、私は白夜を傷付けるだけ。
それはずっと前から知っていたこと。
それなのに、どうしてこんな急に後ろめたく感じるんだ。
桐への気持ちと向き合ったからか……?
「……ごめんなさい、白夜……」
「胡蝶?どうした?」
「私は……」
どくんどくんと鼓動を速め、不思議そうな白夜を見つめる。
本当は都だ。そう告げれば、全てが終わるのに。
「あなたの事を、愛しているわ……」
嘘つく私を、許して欲しい――