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隠密の華
第13章 十二
これは、きっと同情だ……。私は白夜に同情しているのだ。
「……はぁ……」
夢中で口内を堪能されていたが、漸く唇を離されると私はほっとした。
……が、うっとりとした目で見下ろされていると分かると、体が石のように固まってしまう。
「胡蝶……俺は何と幸せな男だろう……」
これは、私が苦手な雰囲気だ。いつも溺愛されていたが、この目をする時の白夜は普段よりも異常に濃厚な抱き方をする。
もう止めて欲しいと頼んでも、白夜が満足するまで止めてくれない。
誰かとよく似ている。