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隠密の華
第13章 十二
「……わたしは、火凰国の都と申します。設樂様にお仕えする隠密です……」
心臓が爆発してしまうんじゃないかと思うぐらい、鼓動が跳ね上がる。
ここで嘘をつくよりも、真実を打ち明けて平和協定を破綻させない様にするのが、一番優先させるべき事だと思った……。
きっと白夜もそれを望んでいる筈……。
きっと……。
「……ほほう。隠密だったか。貴様、この白夜をだましてどうなるか分かっているのか?」
寝台へ寝ていたまま、白夜から唐突に片手で首を絞められると、私は息が出来なくなった。