この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠密の華
第3章 二
髪の先から次々と、地面へ滴る雫。裸を見られても羞恥心などない。あるのは、早く設樂様を見つけ出したいという焦り――
「……小せぇな」
私の胸を見ながら桐が小さく呟くのが分かったが、私は落ち着き払ったまま再び質問した。
「抱いてくれるか?」
「ああ、分かったよ!だから着物を着ろ!」
「分かった……」
そのまま呆れた様に桐が返事をすると、ほっと安心する。……良かった。これで私からは処女の価値が無くなる。きっと明日、売られなくて済む。
「他の奴らに見られたらどうすんだ。ほら、着物」
「ありがとう」
「着がえたら行くぞ」
「何処に?」
「頭のとこ」
晒していた体へ渡された着物を羽織りながら、私は桐の言葉を聞いて不思議になった。