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隠密の華
第3章 二
* * *
「頭、都が今晩抱いてくれとさ!」
そのまますぐに頭のいる住処へ連れて来られたが。……やはりこいつは阿保だ。筋金入りの阿保だ。
「……桐、どうした?」
「都は明日売られずに済む様、頭に処女を捧げてぇんだ」
「……成る程な」
「俺が頼まれたけど俺がこいつとヤったら、頭、俺を八つ裂きにすんだろ?」
こんなに正直な人間、初めて見たかもしれない。頭と向かい合って立ったまま会話する桐を、唖然として見ながら自分が頼んだ事を後悔する。……抱いてくれなんて、言わねば良かった。切羽詰まって言ってしまったが、頭に言われてしまうとは……。頭が私を抱く筈ないというのに。