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隠密の華
第3章 二
「娘、言っておくが、処女を失ってもお前は売られる」
「っ……そんな……」
「どうしても相手がお前の事を欲しいそうだからな。短い髪と貧相な胸の女が好みらしくてな。特に処女じゃなくても良いと」
「くっ、この貧乳なせいで……!」
もし抱かれたとしても……初めから逃げられなかったのか。冷徹な山賊に捕まった自分のせいで、私は二度と設樂様に会えないかもしれない。
「桐、お前はもう下がれ。休んで良い」
「頭、何かする気だろ!頭のスケベ!」
「この娘に話があるだけだ」
放心状態になり、側で話す2人の会話もあまり耳に入らない。しかし――桐が住処から出ていき、頭と2人きりになるとすぐ我に返る。
「娘、お前は隠密だな――」