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隠密の華
第16章 十五
「都、戻って来てくれたことに礼を言う」
「……」
「今度こそ隠密としてではなく、俺の妻になってくれるか?」
私の上へ覆い被さり白夜が聞いてくると、私は戸惑った。
……どうしたら良い。幼い頃から隠密として生きてきたから、この状況をどうしたら良いのか分からない。
只でさえ、そういうことには疎い性格だ。
「白夜、私が何故今日来たのかと言うと……そういう話ではなく……」
困惑しながら白夜の胸を両手で押した。
それと同時――扉がノックされる。
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