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隠密の華
第4章 三
「都。護ってやるんだから、毎晩ヤらせろよ!」
「その口塞ぐぞ?」
少しだけ頬が緩んでいたが、再び無表情に戻って私は桐を冷たく睨み付ける。前言撤回だ。やはり、一人の方が良かった。
「男は色々と大変なんだぞ!毎晩我慢してたら……」
「騒ぐな。商人に気付かれる」
呆れながら私は、そのまま設樂様へ視線を送る。すると同時に、設樂様と目が合った。
「ほら早く歩け。ねーちゃん達」
……が、話したくても話すことさえ出来ない。商人に縄を引かれ歩きながら、すぐに視線をそらす。しかし、その後すぐ、私にははっきりと設樂様の声が聞こえていた。
「どうか、無事で――」