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隠密の華
第6章 五
「胡蝶……」
まずい。この場をどう切り抜ける。相手は天下の白夜。胡蝶の婚約者だった男。ないがしろには出来ない。
「柔らかく……髪も、美しい……背中まで伸ばしていたのに、切ったのか」
「……!それは……」
「短いのも似合っている。可愛いよ、胡蝶」
髪を撫でられながら内心鼓動を速めていると、白夜から微笑まれ、不覚にも胸が高鳴った。……が、しかし、すぐに白夜の顔が首へ近付いてくると、動揺して目を見開く。
「待て……!」
「待てない。ずっとこうしたかった。何年も待ったんだ……胡蝶」
そのまま首筋へ口付けられると、私はカアッと顔を紅潮させる。