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隠密の華
第6章 五
「桐、ここにいたか」
「いたかじゃねーよ!てめぇ、よくも俺を嵌めてくれたな!」
「別に嵌めたわけじゃない。一緒に城へ忍び込む為に最善を尽くしたまで……」
「友達とか言えば良かっただろ!何が襲って胸を触っただ!てめぇの貧乳には興味もねぇから!」
小屋の方へ近付いていきながら、鼻息を荒くし、眉間にシワを寄せ、怒りが収まらないという様な桐へ、無表情で謝る。
「すまなかった」
「すまなかったじゃすまねーんだよ!偶然見張りが居眠りしてたから牢の鍵を奪えたけど!拷問とかされてたらどうする!?」
「後で助けようと思ってたんだ……忘れていたが」
「忘れてただと?」
そして小屋の前で立ち止まった私を桐が睨み付けると、私は冷静なままじっと桐を見つめた。
「……というか、お前、首に何つけてんだ?」
「何かついてるか?」
反対に桐もじっと私を見てくると、疑問が浮かぶ。……首?首と言えば。そういえばさっき、白夜から口付けられたが。
「桐?」
「おい……都、ちょっとこっち来い。もっと近寄れ」
「どうした?」
疑問に思ったまま桐から手招きされると、言われた通り桐へ近付く。……が、しかし。
「俺が大変な目に合ってる間、お前はあの男とヤりまくってたって言うのかよ……これは、口付けの痕だろ?」
「そうなのか?」
桐の言葉を聞いた途端、疑問が解けた。