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隠密の華
第6章 五
よし、作戦は決まった。あまり桐を待たせない様、早く城へ戻らなければ……。
「じゃあ、また……」
「なあ、都」
「何だ?」
城へ向かって歩き出そうとすると、桐から呼び止められて立ち止まる。
そして――唐突に桐の唇が一瞬だけ私の額へ触れると、私は呆けた。
「まじないだ。都が無事でいれるように」
「ありがとう……」
「じゃ、行ってこい」
「あ、ああ……」
……何だ、こいつは。まじないって、こんなまじないがあるのか?驚いて、一瞬心臓が爆発するかと思った……。