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隠密の華
第7章 六

「んんっ!」

「静かにしろ……足音が聞こえた。兵士かもしれねぇ」

「……!」

……まさか。兵士が?もしかして私が胡蝶ではないと気付かれたか?それとも桐を探しに?

ドキドキと鼓動を速めながら、二人共身動きを止める。そして暫くして桐が私の口から手を離すと、私は安心した様にふうっと息を吐いた。

「何処かに行ったみたいだな」

「……良かった」

「おい、都」

「何だ?」

良かった。ここにいる事を気付かれなくて。そんな事を思っていると、突然桐の顔が私の顔へ近付いてくる。その光景に息を飲んだ瞬間、私の唇は桐の唇により塞がれていた――

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