この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠密の華
第7章 六
「んんっ!」
「静かにしろ……足音が聞こえた。兵士かもしれねぇ」
「……!」
……まさか。兵士が?もしかして私が胡蝶ではないと気付かれたか?それとも桐を探しに?
ドキドキと鼓動を速めながら、二人共身動きを止める。そして暫くして桐が私の口から手を離すと、私は安心した様にふうっと息を吐いた。
「何処かに行ったみたいだな」
「……良かった」
「おい、都」
「何だ?」
良かった。ここにいる事を気付かれなくて。そんな事を思っていると、突然桐の顔が私の顔へ近付いてくる。その光景に息を飲んだ瞬間、私の唇は桐の唇により塞がれていた――