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隠密の華
第7章 六

まさか桐から怒られるとは思わなかった。言っている事は正しいが……。
「でも、何故口付けを……?」
続けてそう尋ねると、はっきりとした桐の返事が返ってきた。
「都が好きなのかもな」
「……何?」
「お前顔は可愛いしな。貧乳だけど」
「桐……?」
「一生懸命で芯の強いとこも好きだ。貧乳だけど」
「桐が私を好き……?」
ふざけている……よな?こんな告白、聞いたことがない。
「だから、設樂様の事で悩む都見てると、腹が立つからやめろ」
「そうは言われても……」
「設樂様のことを考えたら口付ける。分かったな?」
本気なのだろうか。真剣に話す桐を無表情で見ている間に――私は再び桐から唇へ口付けられていた。

