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第23章 花粉偏頭痛

ねこがいる

黒い猫

そう言えば、あのときもいたね

私の昔の帰り道

あのときの家は…どこだっけ？

でもね、きみのことは覚えている

私の前を横切っていったから

不幸の予兆

そうね

きみは私の前を横切るだけで

ちっともこっちを見向きもしない

はぁあ

私はそれほど動物に嫌われる方ではないのに

そう自覚しているのに

見上げると月が円い

でも満月ではないのよ、これが

私らしいっちゃあ、私らしい

きっと、今夜もきみは見向きもしない

そうよ、私の前を横切るだけ

そうね、私の前を横切って

いいの

それが、例え、不幸であっても

「私の幸福とは」