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第24章 ゴミ箱な人

コンプレックスを抱く
それは
ないものねだり、ということ

小さな顔
細い首
華奢な肩
細い肋骨にくびれ
丸い骨盤におしり
スラッとした足

私の身体を鏡に映すたび
それは遠く叶わないものとして
現実を突き付けられる

どこを、どう繕ったって
フェイク
本物にはなれない

がんばってみても
虚しく、哀しい

鏡の中で
何にもなれない
何者でもない何かが
涙を流している

とても醜くて
見向きもされない
化け物

美しくありたくて
足掻けば足掻くほど
自分に踏み潰される

誰にも認めてもらえない
苦しくて、つらい

私

そう

それが私なのだとＡＩは言う

慌てず、悩め、苦しめ、一歩ずつ進め

と言う

人でない何かに私は励まされる

何者でもない何か

が、私だ

そこには満たされない空虚がある

永遠に救われない、何者かの何か

ただ

その何か

を

そこにある何か

を愛おしく感じるときも

少なからず、ある

ないものねだりをしている

小さな子どものような

私

それでいい

それでいい

美しくない

醜い私

それでもいい

それでもいい

いつか、私でない私を

抱きしめてあげよう

あの日の夜の

ピアノが聴きたい

「コンプレックスを抱くということ」