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ジャンクフードでできている
第15章 紅葉
私は日の暮れた港の公園で
ベンチに座って海を見る

この季節は日の沈むのが早いので
暗くなっても散歩等の人通りがある

暗がりに座って停泊した船を眺めていると
少し哀しい気持ちになる

ウィッグをつけ
化粧をして
スカートを履いても
身体の大きな私は
暗がりにしか
身をおけない

ランナーが私をちらりと観て
通りすぎる際の笑いはきっと嘲笑だ

女性として見てもらいたい
しかし、その自信はないのだ
どうしたいのか
どうなりたいのか
どうしてほしいのか
どうすれば満たされるのだろう

暗がりのベンチから
月明かりに照らされて
キラキラ輝く海面を見る

いつか、輝ける日はくるだろうか

いや、いや

もし、生まれ変わったなら

いや、いや

もういいのだ

どこまで行こうと

どうどう巡りだから

繰り返された諦めに

もう、涙も流れない


今夜も、波の音がしている


「泣けない夜に」

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