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第19章 クコ

猫が住んでいる

裏のトタンやタイヤが積んである隅っこに

ニャーでなく

ウナーとなく


彼女は明け方、ときどきケンカをしている

ウナー、ウナー、ばたばたばた、ウナー！

そして、たいてい彼女が勝利する


夢うつつに、彼女の勝利を祝う


ケンカ？さかっているだけでしょ

と目を閉じたまま、君は言う

君の手の第一間接はプニプニしていて触り心地がいい


もう！

君はうっとおしくなって、背をむけてしまう


ウナー、ウナー

猫がないている


きっと、君の勝利を祝っているのだ



ややもすれば日が上る


僕は豚のぬいぐるみを抱きしめて

もう一度、目をつむる


次に目を覚ましたときには

きっと幸せな世界が拡がっているのだ

きっと

ウナー


「猫」