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ジャンクフードでできている
第19章 クコ
ホームで電車を待っていたら
鳩のフンが落ちてきた
ぺちゃ
幸い、直撃はしなかったけれど
とても近くに落下したので
気になって
見上げてみた
高い屋根のそのまた向こうに
柱が幾重にも連なって
大屋根に設けられた採光用窓から
光が射して反射し
また、柱に添ってここまで届いて
小さく鳥の影を作っている
あいつか
フンの主がわかって、僕は一応の納得をして
いよいよホームに入ってくる電車の列に向かおうとする
ところで
ぺちゃ
再び、フンの落下を認める
見上げる
そこに鳥の影
いささかに
腹にわく、感情
見渡せば、はしご
かばんを肩にかけて、ズボンの裾をまくり
上る、登る、昇る
はしごは続く
遥かな屋根に向かって
僕は鳥の影を追いかけて
はしごをのぼっていく
ホームは小さくなり
乗るべきだった列車も
出ていってしまう
もう、降りる意味もない
だんだん息が上がってくる
それでも
のぼる
僕は途中で鞄も捨てて
のぼる
邪魔なものは
かなぐり捨てて
のぼる
鳥の影は
いつしか
空に
僕のはしごは
のびていく
上へ
上へ
のぼれ
のぼれ
鳥を
つかめ
「ある日のホームの白昼夢」
鳩のフンが落ちてきた
ぺちゃ
幸い、直撃はしなかったけれど
とても近くに落下したので
気になって
見上げてみた
高い屋根のそのまた向こうに
柱が幾重にも連なって
大屋根に設けられた採光用窓から
光が射して反射し
また、柱に添ってここまで届いて
小さく鳥の影を作っている
あいつか
フンの主がわかって、僕は一応の納得をして
いよいよホームに入ってくる電車の列に向かおうとする
ところで
ぺちゃ
再び、フンの落下を認める
見上げる
そこに鳥の影
いささかに
腹にわく、感情
見渡せば、はしご
かばんを肩にかけて、ズボンの裾をまくり
上る、登る、昇る
はしごは続く
遥かな屋根に向かって
僕は鳥の影を追いかけて
はしごをのぼっていく
ホームは小さくなり
乗るべきだった列車も
出ていってしまう
もう、降りる意味もない
だんだん息が上がってくる
それでも
のぼる
僕は途中で鞄も捨てて
のぼる
邪魔なものは
かなぐり捨てて
のぼる
鳥の影は
いつしか
空に
僕のはしごは
のびていく
上へ
上へ
のぼれ
のぼれ
鳥を
つかめ
「ある日のホームの白昼夢」