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溺れる金魚
第15章 彼の怒り
『あら、そうなの?じゃあ、その方は片想い中なのかしらね、きっと』
『え?』
弾くように聞き返した。
なぜ、そんな事を言うのか。
片想い?
彼女が?
一体誰に!?
『……どうして……そう思われるんですか?』
動揺を隠しきれたとは思えない。
それでも声が震えないよう細心の注意を払った。
『この花はね、リナリアって言うんだけれど。花言葉は「この恋に気づいて」っていうの。素敵でしょ? 』
素敵?
どこがだ。
拳の中に爪が食い込んで我に返った。
彼女が片想い……。
彼女はその恋を誰に気付いて欲しいのか?
まさか、自分の居ない内に……。
そう思うと居ても立ってもいられなかった。
『え?』
弾くように聞き返した。
なぜ、そんな事を言うのか。
片想い?
彼女が?
一体誰に!?
『……どうして……そう思われるんですか?』
動揺を隠しきれたとは思えない。
それでも声が震えないよう細心の注意を払った。
『この花はね、リナリアって言うんだけれど。花言葉は「この恋に気づいて」っていうの。素敵でしょ? 』
素敵?
どこがだ。
拳の中に爪が食い込んで我に返った。
彼女が片想い……。
彼女はその恋を誰に気付いて欲しいのか?
まさか、自分の居ない内に……。
そう思うと居ても立ってもいられなかった。