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溺れる金魚
第17章  無実の罪
『崇志さんの、が……欲しぃ……』

彼女の甘く切なく懇願する声が耳の内をくすぐる。


『初めてなのか?』と問うた記憶。

『ほら、イッてるんだろ?気持ち良いか?』


『崇志さんのがぁ、気持ちっ……ぃいっよぉぅ』

『……イッてるときにはちゃんと言え。でないと更に攻めるぞ』


その言葉の後イクイクとはしたなく何度も連呼していた彼女を今よりも前に知っている……。


そんな気がしてならない。



『紗良……愛してる……』


彼女の名前を絶えず発していた。

名前を呼びながら自身も絶頂に達していた。


……それはいつの記憶か。



夢、ではないのか?

佐野の中で混乱が生じ始めた。
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