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溺れる金魚
第24章 極甘な夜
その日、紗良は朝からふわふわと地に足がつかない状態で浮かれていた。
ふわふわ、ふわふわと気持ちが舞う。
彼女の誕生日を祝うために佐野と、彼の会社の前にあるカフェで待ち合わせてのデート。
想いが通じ合って初めてのデートに、紗良は嬉しい反面少し緊張もしていた。
約束の時間より十五分早めに到着し、ミルクティーを頼む。
窓側の席からは、彼の会社から流れ出てくる人がよく見えた。
幾つかに分かれて大きな人の波が吐き出されては、皆足早に駅の方へと向かっていく。
それを、紗良はぼんやりと眺めていた。
経験したことの無い社会的行動。
もし、父の娘でなかったのなら自分もここではないどこかの会社から吐き出される波の中に居たのかもしれない。
そうしたら、彼とも結婚する事は無かったのかも……。
そう思うと、今が奇跡なのだと改めてそう思った。
ふわふわ、ふわふわと気持ちが舞う。
彼女の誕生日を祝うために佐野と、彼の会社の前にあるカフェで待ち合わせてのデート。
想いが通じ合って初めてのデートに、紗良は嬉しい反面少し緊張もしていた。
約束の時間より十五分早めに到着し、ミルクティーを頼む。
窓側の席からは、彼の会社から流れ出てくる人がよく見えた。
幾つかに分かれて大きな人の波が吐き出されては、皆足早に駅の方へと向かっていく。
それを、紗良はぼんやりと眺めていた。
経験したことの無い社会的行動。
もし、父の娘でなかったのなら自分もここではないどこかの会社から吐き出される波の中に居たのかもしれない。
そうしたら、彼とも結婚する事は無かったのかも……。
そう思うと、今が奇跡なのだと改めてそう思った。