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溺れる金魚
第5章  熱いキスを
再び心拍が跳ね上がる。


ドッキドッキと頭の中がうるさい。


まるで……犯罪を犯す瞬間のよう。

お願い。起きないで。




少し……キスする間だけで良いから……。


彼の唇まであと僅かとなったとき、紗良はぎゅっと目を瞑り……漸くそっと重ねた。


触れたらすぐに身を引き起こそうと決めていた。


なのに、離れがたい。






彼を起こさないようにと自らの腕に力を込めながら体重を支える。


……もう、だめ。


キスの間中息を止めていた。




呼吸しながらキスするなんて知らない。



腕に力を入れて身を起こそうとした。唇は最後に離そう。
この呼吸の限界まで。



そう思った瞬間の出来事。





ぐっと強い力が背中と頭に降り掛かってきた。

と、同時だった。






彼の熱い舌がねっとりと侵入してきたのは……。
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