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溺れる金魚
第5章  熱いキスを
思わず目を見開く。


そこで重なってしまった。




……彼との視線が。


慌てて身を引き剥がそうと力を込める。

が、びくともしない。



「ん……ぅっ」

彼の舌の熱さが、紗良の躰の奥を熱くする。



再び彼は目を閉じ、紗良の口内を味わうように深く舐め回す。


ピチャッチュッパッチユっとリップ音だけが響く。



こんな情熱的な……キスをするなんて……知らなかった。


もう限界。

息が……つ続かな、い……。



彼の吐息が漏れる。


と、同時に紗良は僅かに身を引き唇を剥がす。


ぷはっ。

そこで大きく息を吸う。



「何だ、キスも知らないのか?」



彼が力無く笑う。


「大丈夫。息しながら……ほら、やってみて。簡単だから……」






再び紗良の頭を押し付けて彼がついばむ。
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