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溺れる金魚
第25章  嫉妬と溺愛
佐野の、正確には父が立ち上げた会社の創立記念パーティー。


紗良も社長婦人として佐野の隣に立っていた。



ドレスは佐野が選んでくれた。

コーラルピンク。



胸元は開きすぎず甘く押さえられていて、先日の誕生日プレゼントにもらったネックレスが引き立つ。



ハイウエストに飾られたリボン。

優美なシルエットを引き立てる膝までのドレープは、くるりと回るとお姫様のスカートのように優雅に舞う。



以前は父の隣で共に挨拶をしていた。

そして、その後ろには当時て秘書であった彼が立っていて……。




それが今は、彼の隣で……。

紗良にはこの状況がとても嬉しかった。
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