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溺れる金魚
第25章  嫉妬と溺愛
「とにかく、あなたの事が大事で可愛くて堪らないんですって。羨ましいわね」


そう言って幸せそうに彼女は笑った。



きっと、羨ましいと言いつつも彼女も主にたくさん愛されているのだろう。

その笑顔も幸せに満ちていた。



「あ、今の話は内緒ね?」

黙っていられるだろうか。



きっと、彼の顔を見ただけで嬉しさでにやけてしまいそう。

そう思いながら、紗良も笑って頷いた。


「随分と楽しそうに話しているね。俺は邪魔かな?」

「あ、 学さん。こちら、佐野さんの奥様ですって」



紗良は彼女の夫であろう人に立ち上がって会釈をした。
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